お米を炊くといえば炊飯器を使うのが一般的ですが、急に炊飯器が使えなくなることもあります。
たとえばキャンプや引っ越しなどで炊飯器が手元にない場合ですが、そのほかにも災害などの非常時も想定されます。
東日本大震災は未だ記憶に新しいところですが、この災害時にはプロパンガスは使えたものの、電気は何日にもわたって停電がつづき、いつもの生活を維持することがかなり困難となりました。
こうした事態に備えて、家庭によくあるお鍋を使ってお米を炊く方法をご紹介します。
鍋でお米を炊く方法
米を研ぐ
米を優しく研いで、水が透明になるくらいまで数回ほどすすぎます。
研ぎ終わったら30分から1時間ほど水に浸してそのまま待ちます。
なお、冬はやや長めに水に浸しておくとよいでしょう。
鍋に水を入れる
米を浸していた水を捨てて、計量カップで計量した分量の水を入れます。
だいたい米1合に対して水180mlが標準です。よりやわらかめに炊きたい場合は水を多めに、かためにしたい場合は水を少なくします。
このまま炊くと焦げ付くため、鍋の内底にアルミホイルを敷き、その上に米を載せます。
さらに、アルミホイルと鍋の内側との間にすき間ができますので、このすき間に水を注いでおくとよいでしょう。ちょうど図のような内鍋、外鍋の2重鍋を使っているイメージです。
鍋を火にかける
鍋に蓋をして中火にかけ、10分ほど待ちます。
10分ほどで沸騰して湯気が出てくるのがわかりますので、そのタイミングで火力を弱火にします。
弱火でさらに10分くらい炊くと、鍋のふちからチリチリと音がして、水分が飛んだことがわかります。
ここで火を止めてさらに10分ほど蒸らして、ご飯をふっくらさせたら完成です。
鍋を使う場合の注意
鍋でご飯を炊くときは、炊飯器とは違いすべて手動で調整しなければなりませんので、次のような点に注意が必要です。
水加減に注意する
炊飯時に必要な水の分量は、米1合に対して180mlが基本です。
意図的にかため・やわらかめのご飯にする場合は別ですが、水が多すぎるとべたべたした仕上がりになりますし、逆に少なすぎると芯が残ってぱさついた状態になってしまいます。
また、新米・古米の別や、お米を研ぐ必要がない無洗米では、それぞれ吸水性が異なります。
洗米の後でしっかり水を吸わせることも重要です。
30分から1時間ほど待つのはもどかしいのもわかりますが、この過程は芯までふっくらしたご飯にするために必要不可欠です。
特に鍋の場合は炊飯器と違って火加減のムラが生じやすいので、しっかりと吸水させるのがコツです。
火加減の調整は慎重に
まずは強火、沸騰したら弱火、さらに火を止めて蒸らすという三段階が炊飯の基本です。
慣れてくると香ばしいかおりがする、ふつふつという音がする、湯気がさかんに立つといった兆候から、火加減を調整すべき時期がわかります。
また、火力が強すぎると焦げ付きが生じるほか、鍋本体と蓋の間から内容物が出てしまう、いわゆる吹きこぼれが発生しますので、ふきこぼれ防止が必要です。
対策としては火力を適切に調整するのが第一ですが、そのほかに鍋の縁の部分に蒸気を逃がす隙間のある蓋を使う、あるいは必要以上に多い分量の米と水を鍋に入れないことなどが考えられます。