梅雨の時期こそ畳のメンテナンスを

畳 住まい

畳は日本人にとってなじみが深く、湿気の多い我が国の気候にも適した素材であることは間違いありません。
しかし、畳をメンテナンスせずに放置してしまうと、見た目の劣化だけでなく、健康面や住宅全体への悪影響にもつながります。
梅雨の時期こそ畳のメンテナンスをしっかりと行い、快適な生活を実現したいものです。

畳のメンテナンスが必要なわけ

ポイント畳は湿気を吸いやすい天然素材(い草)ですので、木造家屋の室内の湿度を調整する重要な役目を担っています。その反面、換気を怠るとカビが生えやすくなり、特に梅雨の時期や結露の多い冬場に放置すると、裏側からカビが広がってしまいます。

カビは胞子で増えるので、なかなか目に見えませんが、確実にアレルギーやぜんそくなどのトラブルを引き起こします。

また、カビだけではなく、ダニや南京虫などがい草のすき間に住み着き、刺されたりかゆみを起こすこともあり、特に体力のない小さな子どもや高齢者には深刻といえます。

もちろん、そのほかにも機能面でも問題もあります。い草は紫外線や乾燥に弱く、放置すると色あせやささくれが起こりがちです。ささくれた畳は足に刺さることもあり、掃除も難しくなります。

畳のメンテナンスの方法

基本の畳掃除

掃き掃除日常的な畳のメンテナンス方法としては、オーソドックスですが、まずは掃き掃除をこまめにすることです。
畳の目(縦方向)に沿って、ほうきで掃くか、「弱」や「畳モード」で掃除機をやさしくかけます。
掃除機の場合、吸引力が強すぎると傷むことがあるので注意しましょう。

もしも汚れが気になる場合は、固く絞った布で水拭きしたのち、よく乾拭きをして水分を残さないようにします。
水分はカビの元なので、乾かさずにそのままにするのはおすすめできません。

酢を使った消臭・防カビ

酢畳の消臭や防カビのためのメンテナンスとして伝統的に行われているものに、天然素材である酢を使った方法があります。

水200mlに酢(穀物酢・米酢・白酢など)大さじ1杯をスプレーボトルに入れ、雑巾に吹きかけてよく絞り、畳の目に沿って拭き掃除をします。
ただし、拭いた後はしっかりと乾燥させるのを忘れないようにしましょう。また、酢のにおいが強いので、事後の換気は必須ですし、必要以上に酢の量を増やしたりするのもおすすめできません。

畳の日干し(陰干し)

陰干し天然素材の畳は湿気を吸いやすく、年に1、2回は風に当ててよく干すのがよいといえます。この作業により過度な湿気を取り、ダニ・カビ・臭いを防ぐことができます。

方法は単純ですが、畳を上げて、晴れた日に風通しのよい場所に立てかけておくだけです。
干す時間の目安としては、数時間から半日程度ですが、ふだんは風通しのない裏側を中心に乾かすとよいでしょう。

また、畳を戻すときには、畳下(床面)も乾拭きしておくと効果的です。

なお、畳が焼けたり反ったりするので、直射日光に長時間当てたりしないようにすることも重要です。

畳上げの方法とは

畳上げ畳は床の上にほとんど隙間なく敷き詰められているため、畳を上げる(取り外す)にも方法がわからず困ってしまうことも多いと思います。

実際のところ、ほとんど隙間がないとはいっても、畳と畳の間にマイナスドライバーや金属製のはさみなどの細いものを差し込むだけのスペースはあるはずです。

写真のように畳のへり(端)の部分にドライバーなどを差し込み、畳の横に引っ掛けるようにしてそのまま持ち上げると、少し浮くので指を入れられます。

畳部屋の換気や防虫紙の施工も重要

畳そのもののメンテナンスもさることながら、畳部屋の換気・除湿や防虫紙の施工など、畳を取り巻く環境のメンテナンスも重要です。

畳上げをすると、写真のように「荒床」(あらゆか)とよばれる畳の下に隠れている床の部分が露出した状態になります。

荒床には白色や黄色の粉状のものが見えますが、実はこれはすべてカビです。この機会に荒床もほうきで丁寧に掃き、よく拭いて汚れを落とした上で、ホームセンターなどで販売している防虫紙(紙ではなく合成樹脂などのシートになっている製品もある)を敷いておくのもよいでしょう。

また、スポットクーラーを畳部屋に持ち込み、除湿運転して室内から湿気を追い出すのも有効です。




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