天井裏にネズミがいるかもしれない兆候とは

走り回るねずみ ネズミ

天井裏にネズミがいるかもしれないときの兆候は、音やその他の痕跡から判断することができます。代表的な兆候をまとめると次のとおりです。また、これらの兆候はハト・ハクビシン・コウモリといった別の種類の動物とのまぎらわしいので、かんたんな見分け方もご紹介します。

ネズミがいるかもしれない具体的なの兆候とは

天井裏や壁の中から音が聞こえる

ピシッという家鳴りのような音

音がうるさい木造住宅の場合、季節ごとの湿度の変化で木材が収縮や膨張を繰り返すため、ときどき「ピシッ」という音が室内に響くことがあります。特に新築の場合には、木材がまだ乾燥しきっていないため、このような「家鳴り(なり)」という現象が起こりやすいものです。

しかし、本当に「家鳴り」かどうかは立ち止まって考える必要があることも事実です。天井裏や壁の中に生息しているネズミが、狭い場所を通る際に木材をきしませて発する音も、やはり「家鳴り」のような音だからです。このような場合には、他の兆候とあわせてネズミかどうか判断すべきでしょう。

カリカリ、ガリガリといった音

天井裏や壁の中からカリカリ、ガリガリという物をかじるような音が響き、特に夜間に頻発する場合、これはネズミを疑ったほうがよいでしょう。まさにネズミが柱や梁などの木材や、断熱材、配線などをかじるときに出る音だからです。

そのまま放置した場合、断熱材が剥ぎ取られて温度調節の役目を果たさなくなってしまったり、電線を食い破られて火災発生といった事態にもなりかねません。

トタトタという足音、ドタドタ走り回る音

夜中、特に天井板の上を小動物がトタトタと歩く音がする場合は、ほぼネズミと考えてもよいでしょう。

ネズミはふだん、梁や桁といった目立たない部分を器用に移動することが多く、垂直に立っている柱なども上り下りすることができます。これらの部分を移動するだけであれば、それほど大きな足音が室内にまで届くことはなく、かすかな「家鳴り」のような音にとどまります。

しかし、まれにストレス解消のためか天井板の上をじかに走る回る個体があるほか、他のネズミとの縄張り争いが発生してネズミ同士で追い掛け合いをすることもあり、この場合はさながら「ネズミの大運動会」のような大きな音となります。

また、深夜に誰もいないのに戸を叩くような音が聞こえる場合も、ネズミの可能性が考えられます。家屋に多いクマネズミは、基本的にドブネズミとは違って土中に穴を掘って生活する習性はありませんが、たまに手(前足)で穴を掘るような動作をすることがあります。天井裏や壁の中でネズミがこの動作をすれば、反響して人間が戸を叩いたと錯覚するような大きな音にもなり得ます。

キュー、キュッ、キキキキキキといった鳴き声が聞こえる

文鳥やインコが他の個体とケンカをするときにキキキキキキキとけたたましく鳴くことはよく知られていますが、天井裏でこれと同じような鳴き声が聞こえる場合にも、ネズミの疑いがあります。例外はあるものの、鳥は深夜に活動することはまれですが、ネズミであればむしろ深夜のほうが活動が活発です。おそらくネズミ同士が争っているときに相手を威嚇する鳴き声ですので、その時点で複数のネズミが屋内に潜んでいることになります。

なお、ネズミといえば「チューチュー」と鳴くのが常識ですが、本当は押すと鳴る子どものおもちゃのような「キュッ」という音が実際に近いようです。

黒ずみ・歯型・巣などの目に見える痕跡がある

屋内にネズミがいる兆候としては音がいちばんわかりやすいですが、そのほかにも黒ずみ・歯型・巣などの目に見える痕跡が残っていることがあり、これらを総称して「ラットサイン」などと呼んでいます。

ネズミが室内にまでは進出せず、天井裏などの部分にとどまる場合は、天井のハッチを開けて目視するなどの手間がかかりますが、ネズミの動向を把握するためには、たいへんでも一度よく確かめてみるのがよいでしょう。

ネズミの巣 かじり跡
ネズミの巣(たぶん造成途中)。皿の上に巣材としてベニヤ片、絶縁テープ、葉っぱ、ドングリの帽子(殻斗)、くず米を運び込んだ。 ネズミにかじられた跡。近くのビニル絶縁電線にも歯型が残る。

柱の上や外壁のすき間などに黒ずみがある

ネズミが恒常的に通り道としている場所は、脂分や汚れなどで黒ずみがみられることがあります。また、黒ずみまではいかないものの、溜まったホコリの上に足跡やしっぽを擦った跡が残っていることもあります。いずれもよくある「ラットサイン」のひとつです。

また、クマネズミはふんをしながら移動するため、長さ5ミリほどの黒い小さなふんが、通り道に点在していることもあります。

木材や配線をかじった跡がある

木材や配線に噛みあとがある場合も、当然ながらネズミのしわざと考えられます。

人間の前歯の中央にはひときわ大きな「門歯」とよばれる歯があることはご存知のとおりですが、ネズミの門歯は体格にくらべてもっと割合が大きく強力なものです。

ネズミの場合、人間とは違って一生にわたって門歯が伸び続けます。このため、門歯をちょうどよい長さに整えようとして、さまざまな物をかじって歯を削る習性があります。

木材をかじるのも困りものですが、特に電気の配線やガスの配管などをかじられると、停電や火災をひきおこすことがあり、かなりの注意が必要です。

木くずや断熱材の切れ端がまとまっている

天井裏に木くずや断熱材の切れ端がまとまっている場所があった場合、それはネズミが巣にしようとして、巣材になりそうなものを集めて運び込んだ可能性が高いです。

周囲に落ちている物であればなんでも巣材になるらしく、木くずや断熱材の切れ端のほか、ティッシュペーパーやビニール袋、わら、布きれなどのさまざまなものが雑に敷き詰められています。

当然ですが、巣があるということは、ここで繁殖してねずみ算式に個体数が増えるおそれがあるということに等しく、危機感を持って対応しなければなりません。

ネズミと他の動物の見分け方とは

天井裏に潜む小動物はネズミだけでなく、ハクビシン・コウモリ・ハトなどさまざまなものが挙げられます。これらの動物にはそれぞれに痕跡の特徴があります。以下、ネズミと他の代表的な小動物との違いを比較してみました。

特徴 ネズミ ハクビシン ハト コウモリ
容姿 ネズミ ハクビシン ハト コウモリ
音の大きさ 比較的小さい 大きい 小さい 非常に小さい
活動時間 夜行性 夜行性 昼行性 夜行性
ふんの形状 5mmほどの黒く細長い粒が点在 1.5cmほどの太めのものが密集 白と黒が混ざる小さな塊が密集 黒く小さな粒が密集
かじり跡 多い(柱や配線) ほとんどなし なし なし
足音の印象 トタトタと軽い音 ドスドスと重い音 バサバサ羽ばたく音 ほとんど無音
侵入口の大きさ 2〜3cmのすき間 10cm以上の穴 換気口や開いた窓 1〜2cmの小さな隙間
巣の材料 木くず・布・断熱材などを集める 断熱材を荒らして寝床にする わらなどを雑に敷く程度 巣を作らず天井裏にぶら下がる

まとめ

ネズミが家屋の内部に侵入した場合、なんらかの兆候が現れるものですが、特に異音がしないかどうか注意を払うとともに、壁や柱の黒ずみ、かじり跡などのような別のサインも見逃さないことがたいせつです。こうした複数の「ラットサイン」が重なった場合には、ネズミの侵入を強く疑うべきでしょう。

また、他にも屋内に入り込む小動物は少なくありませんが、足音が敏捷で小柄な体型をにおわせている、細長く小さな黒いふんが点在している、主に深夜に行動している、などの特徴があれば、いちおうネズミと判断することができます。

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