福知山市の三和町寺尾は、由良川水系の寺尾川やその支流沿いに位置する、のどかな里山地域です。
近年はこの自然豊かな地域に「野鳥の森ウッドハウス」や「タンバ香林の里」といった中小規模の別荘地が造成され、静かな田園風景の中でスローライフを楽しみたい人々の注目を集めています。
この記事では、実際に現地を訪れた印象をもとに、別荘地の環境や交通アクセス、価格帯、利便性、購入のメリットと注意点などについてレビューします。
自然に恵まれた寺尾地区の別荘地の環境
福知山市の三和町寺尾は、市内でも自然が色濃く残る東南部に位置します。
由良川水系の寺尾川やその支流沿いに昔からの集落が開けており、かつて薬永山寺尾寺(薬師寺)という寺院があったことが地名の由来といわれています。森林の多い地域でもあり、江戸時代には養蚕や薪炭生産で栄えていました。
平地部分はほぼ水田と既存村落で埋められてしまっていますので、山林部分が切り開かれて別荘地となり、現在では定住する人もいくらか見られます。分譲区画にもよりますが、別荘地は高い位置にあるため、周囲の小川や水田の風景を見下ろすことができます。
現在も小川や田んぼ、山林が織りなすのどかな風景が広がっていますが、その山林部分の一部を切り開いて造成したのが「野鳥の森ウッドハウス別荘地」や「タンバ香林の里」などの別荘地です。
別荘地内の区画にもよるものの、高台から田園風景を一望することができ、野鳥のさえずり声が聞こえる静かな環境が魅力です。
寺尾地区の別荘地の交通アクセスや利便性

寺尾地区の別荘地は、京都市から下関市までを結ぶ幹線道路の国道9号に比較的近く、マイカーであれば舞鶴若狭自動車道「福知山インターチェンジ」から15分ほどで到着できます。
公共交通を使う場合も、JR山陰本線・丹鉄宮福線「福知山駅」から京都交通バス三和線に乗り30分、「丹波新橋」バス停で下車して徒歩20分といったところです。
このため一般の別荘地に比べて交通アクセスは良好といえますが、次の項目の写真に示すとおり、幹線道路から別荘地への進入路には狭い場所もありますので、冬季の積雪や凍結が気になるところです。この地域では冬季に30センチ程度の積雪も見込まれるため、将来の定住を希望するのであれば、雪に対する備えは必須といえます。
寺尾地区にはまた、地域振興の拠点施設「三和荘」があります。ホテル・レストラン・会議室・グラウンド・テニスコートなどを備えた複合施設です。以前にあった大浴場は廃止されましたが、スポーツ施設の一部としてシャワー棟があり、有料シャワーやランドリー・乾燥機が使えますので、急な別荘の給湯施設の故障や凍結の場合でも安心です。
寺尾地区の別荘のようす(現地写真)

別荘地への進入路は車1台分程度の幅。宅配便など大型車の通行や冬場の積雪時の通行には制約があるかもしれない。

寺尾地区の別荘地のひとつの入口、「野鳥の森ウッドハウス」の看板がある。コンクリート舗装された急坂を登る。

野鳥の森ウッドハウスの内部。分譲地内もコンクリート舗装され、道路幅員は6メートル程度と余裕があるが、傾斜地がかなり多い。大きな分譲地ではないものの、15軒程度の建物はありそう。

南側の別の分譲地「タンバ香林の里」の入口には貯水槽がある。両者とも水回りの設備は問題なさそう。

タンバ香林の里内部の景観。こちらも道路はコンクリート舗装され、20軒程度の別荘が建っている。野鳥の森と違い定住も多い印象で、分譲地内の草刈りなどもされていた。

タンバ香林の里も傾斜地割合が多く、高い柱をもつ別荘建築が多い。ハザードマップ上も急傾斜地として土砂災害の懸念はある。

タンバ香林の里の別荘からの眺望。高台にあるので区画によっては水田や小川などののどかな風景を見下ろすことができる。
寺尾地区の中古別荘の価格帯や管理費とは
寺尾地区の中古別荘の価格帯ですが、まれに100万円を切るような格安物件があるものの、通常の中古別荘物件は200万円から500万円程度で取引されているようです。
管理費については野鳥の森ウッドハウスが年間5000円でかなりの格安水準と聞いています。タンバ香林の里については金額は不明ですが、電柱や舗装道路、側溝などが整備されていますし、定期的な除草もされており、管理自体は良好という印象を受けました。
更地を購入する場合は、100平米弱で100万円、300平米で200万円弱といった水準であり、他の別荘地と比較すれば十分に安価なのではないでしょうか。
寺尾地区の別荘購入のメリット・デメリット

寺尾地区の別荘は自然豊かな地域にあり、交通アクセスや生活インフラの面でもある程度恵まれている点がメリットで、実際に一時滞在する別荘としてだけに終わらせず、少なからず定住を決めた人たちもみられます。
その一方で、傾斜地が多いために敷地利用が自由にできなかったり、大型車の進入が難しかったりするおそれがあるほか、土砂災害の懸念があるなど、地形的な困難性はデメリットとして挙げられます。特に、冬季の積雪に対応できるかどうかが重要(冬季は別荘をあまり使わないという選択肢もあります)であり、これらを踏まえた上で中古別荘を購入するかどうかを決めるべきでしょう。
| 項目 | 評価 | 解説 |
|---|---|---|
| 自然環境 | ★★★☆☆ | 山や小川、田んぼといった豊かな自然が残る |
| 交通アクセス | ★★★★☆ | 高速道路が使えるほか、バスで駅まで行ける |
| 不動産価格 | ★★★★☆ | 中古別荘の価格帯としてはリーズナブルなほう |
| 定住可能性 | ★★★★☆ | 生活インフラは整っているが、冬場は積雪があるほか傾斜地割合が高い |

